自己破産と個人再生の違い

個人が借金を返せずに債務を整理する場合、複数のルートが用意されています。各債権者と個別に借金の返済スケジュールなどを引きなおす任意整理や、簡易裁判所の元で調停を行う特定調停などの方法がまずあります。債権者との相談で利子などある程度の部分を免除してもらい、減額した借金の返済が可能になれば、個人は減額された借金を返済し続けていくことになります。ある程度利率の高いカードローンなどでは月額の支払金額を減らすことができ、給料を超えるような支払いが必要となる借金を給料内に抑えるには有効な手法です。しかし複数の金融機関から借金をするなどして、自転車操業になり支払いが完全にできなくなってしまった場合、裁判所の決定のもとに支払額を大幅に減らす方法があります。それが自己破産や個人再生と呼ばれる方法です。
自己破産は、簡単に言ってしまえば借金の棒引きです。個人が経済的に破綻しており、ギャンブルへつぎ込んだなどの特別な理由がなく、努力しても借金の支払いが不可能と裁判所が認めた場合、個人の借金は免除されます。ただし、個人の財産はすべて換金して債権者に渡す必要があります。つまり、個人の借金をすべて棒引きする代わりに無一文になる訳です。住宅を持っている方は現金化する必要がありますし、当然ご家族にすべてを話して相談する必要があります。さらに、破産者が働くことを許されていない士業や会社役員などの地位も失う場合もあります。ポイントはあくまで、裁判所から認めてもらう必要があることです。特に不許可になる理由としては、ブランドものに浪費したり、特定のギャンブルに入れあげて借金を繰り返したり、株式投資にお金をつぎ込んだりした場合があります。つまり社会的にけしからん理由で借金をしても免責されない、ということです。あくまで、自己破産は社会的に頑張っていた方が立ち直る手助けを前提としています。
一方、個人再生は、借金を5分の1に減額する方法です。裁判所を通じて債務を減額してもらうのは同じですが、減額された債務をその後5年程度かけて支払っていく方法となります。自己破産であれば破産後の給料は自分のものになりますが、個人再生の場合長期に渡って自分の給料を他人に管理されることになります。それでも個人再生を行うメリットは、財産のすべてを提出する必要はないため、住宅に住み続けることができる点です。お子さんなどがいる場合でも、家族に知られずにそのまま住み続けることができます。ただし給与所得者のようにある程度将来の収入予測が安定している場合でないと、個人再生の見通しが立たない場合もあります。
自己破産と個人再生の大きな違いは、現在の住宅から出ていくか、住み続けられるかが最も違う点です。業務上で大きな借金を背負ってしまった方が自己破産をして住宅まで取られてしまうのは問題ではないか、といった観点から個人再生の手続きが存在しています。ただし個人再生のほうが優しいかというと、そうではありません。自己破産であれば、破産手続きが済んでしまえば、その後の収入はすべて自己のものとすることができるなど、稼ぐ力がある方にとっては社会復帰を早期にすることができるのです。それに比較して個人再生では、すべての借金が亡くなる訳ではありませんので、自分の給料やその他の収入を常に法律家と相談しながら使用していかなければならないというストレスと長期に渡って付き合う必要が出てくるのです。あくまで個人がどのような状況に置かれているのかを考えたうえで、方法を考える必要があります。お子さんがいるので自宅を何としても手放したくないのか、ある程度すっきりして次の仕事に移るのか。どのような状況かをしっかり把握し、法律家とともに進めていきましょう。

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