自己破産したら生命保険はどうなるの?

自己破産をすると、その後7年から10年間は金融信用情報機関に登録されることになり、ローンや借り入れをすることができません。
たとえば、生計の中心である夫が、病気や事故といった万が一のアクシデントに備えるために加入していた生命保険を、自己破産により解約しなくてはいけないということを避けることができるならば、できるだけそうしたいと考える人は多いことだと思います。若いうちならともかく、年齢によっては再び契約することも難しく、そうなると残された家族について保険による生活の保障ができなくなることにもなります。
自己破産するには、「破産手続開始決定」がなされ、「免責許可の決定」を受ける必要があります。
生命保険を契約している場合には、自己破産申立てを行う際に、「保険証券の写し」、「保険解約返戻金証明書(保険会社から交付される書類)」を申請書類と共に提出する必要があります。
自己破産をしたときに、契約している生命保険がどうなるかについては、その生命保険の種類によって違いがあります。
「掛け捨て型」の生命保険の場合は、解約したときに戻ってくるお金がありませんので資産には該当しません。ですから、自己破産をしたとしても保険を解約しなくてもよく、そのまま保険契約を維持することができます。
契約している生命保険が「積立型」の場合、保険に加入している期間や保険料、契約内容によって異なりますが、解約したときにこれまで積み立てた掛金の一部が解約返戻金として戻ってくることがあります。この解約返戻金は保険契約を解除しなければ戻ってくることはないのですが、この解約返戻金を請求する権利も資産として扱われるので、本人の財産ということになります。
ですから、原則としては、生命保険を解約し解約返戻金を破産管財人に渡すということになりますが、実際の運用としては、破産管財人によって「破産財団」から債権者への配当原資及びその一部になるのは、解約返戻金が20万円を超える場合だけです。つまり、解約返戻金が20万円未満の積立型生命保険の場合は、解約する必要がないのです。
ただし、複数の生命保険を契約しているケースでは注意が必要です。
それぞれの保険の解約返戻金が20万円を超えていないとしても、その保険すべての解約返戻金を合計したときに20万円以上になる場合は、すべての生命保険を解約しなくてはいけないのです。
このように扱われるのは生命保険だけではありません。自動車保険・火災保険・養老保険・地震保険・傷害保険・損害賠償保険等の保険についても解約返戻金の合計が20万円未満であれば解約する必要がないのです。
なお、国民健康保険などの健康保険や厚生年金・国民年金などは解約返戻金がありませんから対象にはなりません。
また、自分で加入していなくても、たとえば、親が子供に生命保険をかけているように、第三者が破産者に保険をかけている場合で保険契約の名義人が債務者であるようなケースも債務者の財産として扱われることになります。しかしながら、保険料の支払いだけでなく、第三者がすべてをまかなっていて、破産者の保険というわけではなく、その第三者の保険であることが現実であると判断できるようであるならば、債務者の破産財団には組み入れられない可能性もあります。
ここまでは個人の自己破産のケースです。
法人の場合は、自己破産することにより法人が消滅することになりますから、掛け捨て型であっても、積み立て型で解約返戻金の合計が20万円未満であっても生命保険は解約することになります。
なお、生命保険の性格上、自分に万が一のことがあった場合の備えであることから、相当額の負担ということであれば、生活に必要な経費として認められるので、自己破産の手続中であっても、生命保険の保険料を支払うことも可能です。

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