自己破産できない場合もあるの?

自己破産ができるのは、支払不能の状態にある人だけです。支払不能の状態とは、自己破産を申し立てた人の借金や収入を照らし合わせて、裁判所が返済不可能と判断した状態のことをいいます。ですから、借金の額がそれほど多くはなく、1~2年で返済可能である場合や、返済資源となる資産(たとえば、持家を売却すれば返済に充当できるなど)があるような場合には自己破産が認められません。
自己破産の手続きは、まず自己破産の申立てをし、裁判所から免責の許可がおりると自己破産することができます。ところが、裁判所に自己破産の申立てをした人のすべてに免責の許可が出るわけではありません。たとえば、自己破産の申立てをする前に財産を隠したり、裁判所に対して虚偽の書類を提出する人や、ギャンブルや海外旅行などで借金をした人は、自己破産の申立て手続きが取消されたり、免責が許可されないことがあります。破産法において、免責を受けることができない事由が規定されており、そのことを「免責不許可事由」といいます。
原則として、免責不許可事由に該当すると免責の許可がおりません。しかし、免責不許可事由に該当するからといって、必ずしも免責を得られないわけでもないのです。裁判所の裁量による免責や一部免責というケースも増加しています。自己破産手続きをしようと考えている人の中には、自分で免責不許可事由に該当すると判断して自己破産ができないとあきらめてしまったり、不許可事由を隠そうとして状況を悪下させる人がいます。よほど悪質でない限り、免責不許可事由に該当していても裁量により認められるケースもあるので、まずは専門家にすべてを明らかにして相談した方が良い結果につながります。
破産法で定められた免責不許可事由の主なものは以下のケースになります。
1.浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと
買い物、海外旅行、ギャンブルなどで浪費して借金を作ったケースのことです。ただし、免責を得られないわけではありません。たとえば、競馬などによる借金でも、その借金を返済するためにサラ金などからお金を借りたことで多額の債務を負うようになった場合には免責不許可事由にあたらない可能性があります。買い物や海外旅行による浪費についても、裁判所による裁量免責や一部免責が認められることが増えているので、絶対に免責を得られないというわけではありません。
2.破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと
自己破産をするつもりでありながら、新たに借金をしたり、クレジットカードで買い物をしたりするケースのことです。このケースでも、よほど悪質でない限り、裁判所により一部免責などの判断がされることも増えているので、免責不許可事由に該当していても自己破産が認められることもあります。金額や内容により判断が分かれるところでもあります。
3.業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと
土地や建物など不動産を所有している場合に自己破産を申立てる直前に不動産の名義を変更したりする行為や、クレジットカードで購入した物を売却して金銭を得たりするケースがこれにあたります。クレジットカードなどのように、ローンで買った商品を完済する前に売ってしまう行為は債権者に対する詐欺罪に当たることもあるので、免責がおりないこともあります。
4.特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと
支払不能の状態にありながら、特定の債権者だけに返済しているようなケースのことです。このケースは、債権者の平等に反する事になるため免責がおりないことになります。しかし、自己破産の申立てをおこなっているときであっても、債権者の一部が強引な取り立てをするようなことはよくあることであり、脅されて仕方なく支払うこともないとは言えません。
5.7年以内に免責許可の申立てがあったこと
過去7年以内のすでに自己破産をしたことがあるケースのことです。原則としては、7年以上経過していなければ、再び自己破産をすることはできません。しかし、過去7年以内に免責を受けていたとしても、免責を絶対に受けられないわけではありません。
他にも、免責不許可事由にはこのようなものもあります。
・破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと
・債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと
・破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと
・不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと
破産法第252条第1項には、まだ他にも免責不許可事由が規定されています。また、ここでは破産法第252条第1項の順番通りには説明しませんでしたが、何度も申し上げているように、免責不許可事由に該当したとしても、自己破産できないのだとあきらめないようにしてください。裁量免責や一部免責になるケースが増えていますので、まずは弁護士などの専門家に相談するようにしてください。

関連記事はこちらをご覧ください。

借金の問題には必ず解決策があります。ご相談に来られた方が最も幸せになれるような解決をご提案いたします。