連帯保証人と自己破産について
〇この記事を読むのに必要な時間は約3分49秒です。
自己破産は借金の返済が出来なくなった債務者だけ、家族だけに被害が被るのではありません。自己破産するという事は連帯保証人の方にも多大なる迷惑をかけてしまいます。連帯保証人というのは「借金をする人の保証をする人。この人はしっかりと借りたお金を返します。ですが、もし万が一返せなかった場合は私が変わりに借金の返済を行います。」というものです。自分自身はお金を一銭も借りていないのにも関わらず、自己破産してしまった人の代わりに自分が多大なお金を返済していかなければなりません。そもそも自己破産というのは限界まで返済に努力し、それでも無理なので財産全てを返済に回します。というものです。ですが、借金自体の事実が無くなる訳では無いのです。借金の回収を行う人達はもちろん残りの借金の返済を連帯保証人に求めます。連帯保証人になるという事自体が大変リスクの高い物なのです。現状の法律では連帯保証人を守るものはありません。自己破産の力というのは、あくまでも自己破産申請を出した本人に限るものであり、連帯保証人が請け負っている、代わりに返済を行います。という約束は消えないからです。お金を貸す側から考えれば、返ってこないリスクを無くす為の保証人が欲しくて連帯保証人という制度を設けたのです。大半の場合は、連帯保証人に対し一括での返済を求められる事が多いです。本当に一括で返済出来るのであればそれに越した事はありませんが、出来なかった場合には連帯保証人も多大なリスクを背負う事になるのです。よくある例としては債務者が自己破産するのであれば連帯保証人にも細かく連絡し、連帯保証人も一緒に自己破産申請を行う例があります。そうなってしまうと連帯保証人になってくれた方にとっては厳しい状況が続く事となるでしょう。また自己破産申請後、連帯保証人の所に債権者が借金の取り立てに来ますが、その時用に差押え前に金銭であったり、財産を渡し、連帯保証人への借金の取り立て前に準備する行為は禁じられています。自己破産をした者と連帯保証人にて巻き込まれた者がその後に大変な思いをするのは火を見るより明らかな事でしょう。債務者は連帯保証人にあらかじめ連絡を入れておく事が重要になってきます。その際には罵倒される事もしばしばですが、それは言われても仕方の無い事だと覚悟して伝えなければなりません。大抵の連帯保証人等は多くの場合、血縁関係にある者や親しい友人などがお互いの関係性から善意で連帯保証人を引き受けてくれています。その方々に多大なご迷惑をおかけしてしまうのですからそれ相応の誠意と謝罪が必要になってくる事でしょう。また自己破産が決まった時点で、良い弁護士を探し、連帯保証人が被る被害も想定した話し合いを進めていく事が必要だと思われます。自己破産の連絡も無く、いきなり借金取りがお金の請求に来るでは、たまったものではありませんから、事前に弁護士に相談し、代わりに返済をするのか、お金はあるのか、自己破産するのかという内容をしっかりと詰めておく必要性があると思われます。連帯保証人が自己破産した場合でも、自分に非が無かったとしても自己破産のデメリットはどうしても被らなければならない事は覚悟しておく事が必要です。借金自体も出来るだけ避けたいというのが本音ではありますが、どうしてもな場合は返済計画をしっかりと立てておくこと、また連帯保証人になるというリスクをしっかりと知った上での保証人になるという事を知識として持たなければなりません。その後に被るデメリットを救済出来るものなど何も無いのですから。軽はずみに連帯保証人にはならない様に、相手との人間関係ももちろんあるとは思いますが、それ相応の覚悟が必要です。

大江戸下町法律事務所

最新記事 by 大江戸下町法律事務所 (全て見る)
- 2度目の自己破産であったが免債を得ることができた事例 - 2022年3月12日
- 自己破産で依頼を受けたが、時効により破産申立することなく解決した事例 - 2022年3月12日
- 免責が認められる場合とは? - 2021年6月9日
関連記事はこちらをご覧ください。
