自己破産が家族に与える影響とは
〇この記事を読むのに必要な時間は約4分2秒です。
自己破産した場合、家族に及ぼす影響とはどういったものがあるのかここで書いてみたいと思います。
一般の方の場合、自己破産に対してかなりダークなイメージを持っているのが一般的でしょう。また、自己破産を一度してしまいますと、戸籍に載ったりするのではないか、選挙権がなくなってしまうのではないか、子どもの進学に影響するのではないかなどといった自己破産に対してマイナスのイメージを持っているでしょう。
ですが、実際には戸籍に載ることもありませんし、選挙権がなくなることもないです。もちろんですが、子どもの進学に悪影響を及ぼすことなど一切ありません。
また、自己破産したとしても会社を辞める必要などなく、これは公務員であったとしても同じです。
ただ、現実的には債権者などから給与を差し押さえられ、勤務先に自己破産の事実が知られ、退職を余儀なくされる場合があります。
自己破産してしまいますと、債権者が家にやって来るとか、家財道具に差し押さえの貼り紙が貼られてしまうなどといったイメージを持っている人が多いようですが、現実的にはそういった事は行われません。
その理由は、債権者は自己破産の申し立てにより、取り立て行為が禁止されているので差し押さえを受ける可能性がほぼないからです。
ちなみにですが、債権者の生活に必要な家財道具は法律によって差し押さえが禁止されています。ですが、そうではない家具や電気製品などは破産財団に組み込まれてしまう可能性があり、それらを家族がかいもどしてその換価を破産財団に組み入れれる事もあります。
それでは自己破産による実際に不利益になる事とはなんなのでしょう。
まず第一に、破産情報が信用情報期間に登録されてしまうことでしょう。一般的にこれをブラックリストと呼んでいます。これによって、破産者本人は当然ですが、家族もクレジットカードを作成することは出来なくなります。
ですが、信用情報機関へは3か月程の延滞であっても登録される場合があるので、長期間延滞している人なら、自己破産しなくてももうすでに登録済みの場合もあります。
また、破産手続きが開始されるのが決まってしまいますと、裁判所から破産者の本籍地の市区町村役場にそのことが通知され、破産者名後に記載されてしまいます。
このことにより、市区町村が発行している身分証明書には破産の記録が載ってしまうのです。なので、市区町村が発行している身分証明書を使う事は実生活上でほとんどないので、問題になることはまずないでしょう。
最近問題となっているのが闇金業者から破産者へ送られるダイレクトメールによる勧誘です。
これは、破産すると破産者が官報に記載されてしまうからです。一般の人が官報を見る事はまずないでしょうが、闇金業者はその情報を元にして、破産者へダイレクトメールを送付し、また破産者を多重債務者にしようと勧誘してくるのです。
なぜなら、一度自己破産をして免責をしますと、その後7年間は自己破産することが不可能になるからです。
アパートやマンションなどの借家などの賃借人や借地人が破産した場合、そこから追い出されてしまうのでは?と思う人も多いでしょうが、破産が賃貸借契約の解除理由になるかどうかは民法621条や判例を見る限りでは土地の賃貸借の場合、借地権に相当の財産価値があるので、破産したとは言っても解約の申し入れについてはそれ以外の正当な理由が必要であるとされて、建物の場合であれば賃貸借の賃借人にはそこまでのことは必要ないとされています。
つまり、判例上ですが、アパートなどを借りている場合には、解除されてしまっても仕方ないという事になるのですが、現実的には家賃を滞納していなければ、賃貸借契約を解除されることはまずないと言ってもいいでしょう。
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大江戸下町法律事務所
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