自己破産と取り立てについて

この記事を読むのに必要な時間は約4分11秒です。

 自己破産は裁判所に破産申立書を提出して免責許可をもらって、全ての借金を帳消しにしてもらうという手続きです。全国の自己破産者数には年々増加傾向が見られ、多くの人々が自己破産制度を利用することで新しい生活をスタートさせています。
 破産が許可されるのは債務者が支払い不能となった場合です。そして、支払い不能に関する判断は債務者の負債の額や収入、資産などの状況から総合的に行われます。債務整理としての自己破産の最大の目的は、裁判所による免責許可の決定を受けることにあるといえます。したがって、免責とは裁判所がこれ以上返済しなくてもよいと認めることといえます。
 破産の申立てを始めると、土地や建物のほかに20万円を超える預貯金や保険の解約返戻金、自動車などの財産を持っている場合には、その財産の清算を行うことが必要となります。その上で、これ以上返済できないという確認がとれた時点で裁判所から免責の許可がおりることとなります。したがって、自己破産の手続きは免責が決定して初めて完了するといえます。これを免責許可とよびます。
 次のような債務は免責される債務と考えられています。銀行や消費者金融、社会福祉協議会、勤務先や友人や知人からの借入や、学生時代に利用した奨学金、クレジットカードの利用分、家賃、携帯電話料金、飲食店で飲食したときのつけなどです。また、公共料金についての免責は裁判所の判断によるとされています。免責が確定するとこれらの借金や債務は帳消しとなり、一連の手続きが完了します。
 なお、免責は必ずしも許可されるとは限らず、許可されない場合もあります。破産法第252条の免責不許可事由に該当する事項がある場合には裁判所からの免責許可はおりません。例えば、浪費やギャンブルが原因で大きな借金をした場合や破産申立て時に財産があるのに財産を隠した場合などです。豪華旅行や外食といった浪費や、申立書への虚偽の記載にあたる場合や、一部の債権者に対してのみ支払いを行っている場合、うその内容に基づいて借り入れを行っている場合などは、破産法第252条の免責不許可事由に該当します。また、7年以内に自己破産や民事再生している場合などもこれに当たります。例えば、クレジットカードで買ったものを売却してお金にした場合は詐欺になる可能性があります。このような場合に該当する時は破産法の免責不許可事由となり自己破産はできません。
 また、免責の許可を受けても借金がすべて帳消しになるわけではありません。次のものについては免責される債務 には該当しない非免責債務と考えられています。税金、養育費、社会保険料、罰金、損害賠償金などです。また、破産申立書に載っていない債権者の債務についても免責は許可されません。このプロセスには法律的専門知識が必要とされるため、破産の手続きを進める際には専門家に依頼することがベストといえます。
 自己破産には長所と短所があります。破産の手続きを行うと借金が免除されるため、債権者からの取立てが止まるというメリットがあります。また、日常生活に必要な家財道具や生活必需品を手放す必要はありませんし。選挙権もなくなりません。しかし、自宅や車などの資産価値の高い動産や不動産などは手放すことになります。また、名前が官報に掲載されたり、ブラックリストに載ることとなります。さらに免責を受けるまでの間、一定の職業に就けなくなったり、数年間、新たな借りいれ金をしたり、クレジットカードを作ることができなくなります。しかしながら、それが原因で戸籍や住民票に載ったり、会社を解雇されたりすることはありません。
 自己破産は裁判所に破産申立書を提出して免責許可をもらい、全ての借金を帳消しとすることで債務者を救済する制度です。破産法第252条の免責不許可事由に該当しない場合に、銀行や消費者金融からの借入やクレジットカードの利用分などの借入や債務などに対して免責が認められます。したがって、借入金の取り立てなどは止まります。
The following two tabs change content below.
アバター

大江戸下町法律事務所

当事務所は、平成16年4月に開業し、弁護士1名、事務スタッフ3名でスタートしました。平成22年には、業務充実のため法人化し、支部を構え、現在弁護士8名(東京7名、柏1名)及び事務スタッフ10名強にて運営しております。いずれのオフィスも駅近で交通至便です。 |当事務所の弁護士紹介はこちら 事務所名は、先祖代々下町で暮らしてきた私の発想(我儘?)でつけました。 当事務所は「正しい人を守る」ための弁護士活動をしています。お金持ちにも、正しい人悪い人いずれもいますし、弱者にも、正しい人悪い人いずれもいます。いずれであっても、正当な人の正当な利益のために働きたいと考えております。 子細なことであっても結構です。お気軽にご相談ください。

関連記事はこちらをご覧ください。

  • 自己破産で土地はすべて処分されるのか?共同名義やローンが残っている場合は?
  • 自己破産後に車の購入ができるのか? ローンは組めるのか?
  • 同じ家に住み続けられる?自己破産後の住居について
  • 奨学金は借金、自己破産しても奨学金の返済義務はなくならない?
  • 妻に内緒で自己破産できるの?
  • 無職・フリーターだけど自己破産できる?
  • 生活保護受給者の自己破産(費用、手続き、タイミングなど)について
  • 自己破産が家族に与える影響とは
  • 自己破産が就労に与える影響
  • 自己破産が認められないタイプの借金とは
  • 自己破産したら家族に知られてしまうの?
  • 自己破産したら生命保険はどうなるの?
  • 自己破産した人でも遺産相続できるの?
  • 自己破産すると借金できないの?
  • 自己破産すると職業が制限されるのかどうかについて
  • 自己破産できない場合もあるの?
  • 自己破産でも保護される!所有が認められる自由財産とは
  • 自己破産で土地はすべて処分されるのか?共同名義やローンが残っている場合は?
  • 自己破産とカード会社の調査について
  • 自己破産によってどうった制限を受けるのか?
  • 自己破産による年金への影響は?
  • 自己破産と夜逃げ
  • 自己破産と家の任意売却
  • 競売について
  • 自己破産と違法な取り立ての関係
  • 自己破産と離婚慰謝料について
  • 自己破産における裁量免責とは
  • 自己破産における賃貸借契約書について
  • 自己破産による銀行口座凍結について
  • 自己破産は何回もできるの?
  • 自己破産の際の資産・財産の処分について
  • 自己破産は子や孫にも影響する?
  • 自己破産を理由に解雇することは可能?
  • 自己破産を理由に離婚できる?
  • 自己破産を行うと滞納した借金はどうなるのか?
  • 自己破産を行った場合、住んでいるアパートから退去する必要があるのか?
  • 自己破産を選択した場合の住宅の取り扱い
  • 自己破産前のカード使用について
  • 自己破産前の資産譲渡について
  • 自己破産後にローンが組めるまで
  • 自己破産後に借金したらどうなるの?
  • 自己破産後に車の購入ができるのか? ローンは組めるのか?
  • 自己破産後のクレジットカードについて
  • 自己破産後の両親の財産相続
  • 自己破産後の住宅ローンはどうなる?
  • 自己破産後の医療費について
  • 自己破産後の就職活動について
  • 自己破産後の生活保護について
  • 自己破産後の財産分与について
  • 自己破産後の返済義務について
  • 自己破産手続き中の周りの家族に対しての連絡
  • 自己破産手続き期間は債務の状況で大きく変わります
  • 自己破産決断のタイミングはいつ行うべきか
  • 自己破産申請が通らなかった場合
  • 自己破産者への給与差押さえについて
  • 自己破産裁判所の審尋について
  • 詐偽的に自己破産した人について
  • 連帯保証人が自己破産した場合について
  • 連帯保証人と自己破産について
  • 過去に自己破産の経験がある人との結婚で被るデメリット
  • 任意整理中の自己破産は?
  • 個人事業主の自己破産について
  • 自己破産の原因は?
  • 交通事故債務による自己破産
  • 債務整理・自己破産・任意整理・個人再生の無料相談。まずはお問い合わせください。 東京:TEL:03-5807-2885 柏:TEL:047-193-8100 初回相談料0円 受付:平日9:30~19:00(土日応相談) メール受付>

    アクセス

    東京本店

     

    柏木支店

    アクセス