自己破産は何回もできるの?
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この不景気とされるご時世だからか、自己破産という言葉に聞き覚えのある方も多いと思います。元々、破産というのは企業において経営が破綻した場合に用いられるものですが、自己破産の場合は個人単位の破産となります。もっともそうなった背景としては企業のものと違い、人それぞれ事情は異なりますが、多くの場合は無計画な借金であったり、自堕落な生活による事が多いと言えるでしょう。
しかし人間の意志は弱いものであり、初めは少額だけと思っていても、コンビニのATMからでも気軽に借りられる事で自分のお金を引き出せると錯覚してしまう人も少なくありません。また諸事情から止むに止まれず借金を重ねてしまうケースもあるのです。また現金の借り入れでなくても高額ローンを組んだ人が、リストラや減給、ボーナスの支給が無いといった理由から返済出来ない事もあるでしょう。そうした場合、最後の救済策として自己破産というものがあるのです。最後というからには理由があります。
自己破産についてですが、個人でも出来ますが弁護士に依頼する事をおすすめします。まず自己破産というと、それが認められるかどうかを気にする人も多いかもしれませんが、勘違いと言えるでしょう。自己破産自体はそれほど難しくないのですが、問題はそれによって免責が認められるかという事です。裁判所において面談がおこなわれ、その借金の理由であったり本人の反省の気持ちなどを説明し、免責事由にあたると認められ事で借金が全て無くなるのです。こうした場合に弁護士に依頼しておくと、より円滑に事が運びやすいと言えるでしょう。
さて、自己破産が最後の救済策と言える理由もそこにあります。人間には誰しも一度くらいは過ちがある、つまり一度だけであれば免責も認められるかもしれませんが、これが二回目ともなると話が違ってきます。一度目の反省点が生かされていないと判断されるでしょうし、場合によっては計画的な悪質なものともとられかねません。仮に二回目も認められても、三度目は無理でしょう。
また自己破産が最後の救済策とされる理由について、なるべくなら一度でもするべきでは無い事もあげられます。自己破産をする事で信用機関の事故情報、いわゆるブラックリストに載ってしまいます。これによって以降長期間に渡り、借金やローンを組んだり、クレジットカードも作る事が出来ません。自己破産は何度も出来ないと言いましたが、逆に言えば何度もする必要が無い状況とも言えるのです。
そして自身の財産に大きな制約を受けてしまい、一定額以上の預金は没収されてしまい、その時点における現金の所有も制限されるでしょう。また場合によってはマイカーも没収されてしまいます。また困るのは自身だけではありません。
自己破産の免責とは個人の支払い義務に対してであって、債務そのものが無くなる訳ではありません。それがどういう事かというと、連帯保証人がいる場合、その方に債務の支払い義務が生じてしまうのです。せっかく連帯保証人になってくれた人に迷惑を掛ける事になります。
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