自己破産前のカード使用について

この記事を読むのに必要な時間は約3分13秒です。

借金に苦しんでいる人にとって自己破産という言葉は、ある意味最後の希望に感じられる事でしょう。これが人から同情される理由であったり、また仕方ないと思われる理由であれば良いのですが、中には悪質な理由で自己破産をしようと考えている人もいると思います。基本的に自己破産とは、基本的に弁護士を通して裁判所に申請し債務を帳消しにしてもらうものです。しかし、これは思ったほど簡単ではありません。
自己破産する事イコール債務が帳消しになるという訳ではなく、自己破産をした際に別に債務を帳消しとする免責の審査がおこなわれるのです。これは裁判所での面談によっておこなわれるのですが、自己破産の手続きと合わせて大変手間が掛かります。したがって普通は弁護士に依頼をして自己破産と、それに伴う免責の手続きをおこなう事になるのです。しかし前述の様に悪意がある場合に関しては免責が認められません。それによって自己破産しても借金が残る状況もありえます。

自己破産のおける悪質なものとして、まず一度自己破産において免責がおこなわれたにも関わらず、再び自己破産を申請するというものがあげられます。一度痛い目を見て多くの人にも迷惑を掛けたにも関わらず、同じ事を繰り返すというのは褒められたものではありません。まず免責を受ける事で債権者に対して損害を与える事になりますし、連帯保証人を立てていれば、その人物に全ての債務が行くので多大な迷惑をも掛けてしまいます。
しかし人間とは同じ過ちを繰り返す生き物でもあり、また前回と違った事情によって仕方なく借金を重ねるケースもあるのでしょう。これが浪費癖であったり極端の意志の弱さによるものであれば免責される可能性は低く、その状況から受けてくれる弁護士も限られるでしょう。しかし予期せぬ理由であったり、前回と違った背景があった場合には弁護士も依頼を受けてくれたり、また免責が認められるかもしれません。ただこれはあくまでも本人に悪意が無い場合です。

さて、ここで質問ですが自己破産するしないに関わらずこんな事を考えた事はありませんか?どうせ自己破産して借金が帳消しになるのであれば、その前に目一杯お金を借りておけばいい、もしくはクレジットカードで買い物をしておけば良いのではという考えです。もちろん自分がしようとする意志と関係なく、そういった事をする人がいるのではという想定も含めてです。
結論から言えば、それは絶対に認められません。どの弁護士に依頼をしてもそれによって面積が認められる可能性はゼロに近いでしょうし、仮に出来ても全く意味をなしません。まず自己破産をすると自分の財産の多くが没収されてしまいます。その時点で所有できる現金額にも制限を受けますし、預貯金額も最高で20万円程しかもてなくなります。
また購入したものであっても資産価値があるものに関しては没収の対象になったり、自動車も一定額以上の価値が認められれば同様です。仮に資産価値を落とす様に細工するのは違法です。したがって自己破産前に、いくら借りても買い物をしても無駄になってしまうでしょう。
The following two tabs change content below.
アバター

大江戸下町法律事務所

当事務所は、平成16年4月に開業し、弁護士1名、事務スタッフ3名でスタートしました。平成22年には、業務充実のため法人化し、支部を構え、現在弁護士8名(東京7名、柏1名)及び事務スタッフ10名強にて運営しております。いずれのオフィスも駅近で交通至便です。 |当事務所の弁護士紹介はこちら 事務所名は、先祖代々下町で暮らしてきた私の発想(我儘?)でつけました。 当事務所は「正しい人を守る」ための弁護士活動をしています。お金持ちにも、正しい人悪い人いずれもいますし、弱者にも、正しい人悪い人いずれもいます。いずれであっても、正当な人の正当な利益のために働きたいと考えております。 子細なことであっても結構です。お気軽にご相談ください。

関連記事はこちらをご覧ください。

  • 自己破産で土地はすべて処分されるのか?共同名義やローンが残っている場合は?
  • 自己破産後に車の購入ができるのか? ローンは組めるのか?
  • 同じ家に住み続けられる?自己破産後の住居について
  • 奨学金は借金、自己破産しても奨学金の返済義務はなくならない?
  • 妻に内緒で自己破産できるの?
  • 無職・フリーターだけど自己破産できる?
  • 生活保護受給者の自己破産(費用、手続き、タイミングなど)について
  • 自己破産が家族に与える影響とは
  • 自己破産が就労に与える影響
  • 自己破産が認められないタイプの借金とは
  • 自己破産したら家族に知られてしまうの?
  • 自己破産したら生命保険はどうなるの?
  • 自己破産した人でも遺産相続できるの?
  • 自己破産すると借金できないの?
  • 自己破産すると職業が制限されるのかどうかについて
  • 自己破産できない場合もあるの?
  • 自己破産でも保護される!所有が認められる自由財産とは
  • 自己破産で土地はすべて処分されるのか?共同名義やローンが残っている場合は?
  • 自己破産とカード会社の調査について
  • 自己破産によってどうった制限を受けるのか?
  • 自己破産による年金への影響は?
  • 自己破産と取り立てについて
  • 自己破産と夜逃げ
  • 自己破産と家の任意売却
  • 競売について
  • 自己破産と違法な取り立ての関係
  • 自己破産と離婚慰謝料について
  • 自己破産における裁量免責とは
  • 自己破産における賃貸借契約書について
  • 自己破産による銀行口座凍結について
  • 自己破産は何回もできるの?
  • 自己破産の際の資産・財産の処分について
  • 自己破産は子や孫にも影響する?
  • 自己破産を理由に解雇することは可能?
  • 自己破産を理由に離婚できる?
  • 自己破産を行うと滞納した借金はどうなるのか?
  • 自己破産を行った場合、住んでいるアパートから退去する必要があるのか?
  • 自己破産を選択した場合の住宅の取り扱い
  • 自己破産前の資産譲渡について
  • 自己破産後にローンが組めるまで
  • 自己破産後に借金したらどうなるの?
  • 自己破産後に車の購入ができるのか? ローンは組めるのか?
  • 自己破産後のクレジットカードについて
  • 自己破産後の両親の財産相続
  • 自己破産後の住宅ローンはどうなる?
  • 自己破産後の医療費について
  • 自己破産後の就職活動について
  • 自己破産後の生活保護について
  • 自己破産後の財産分与について
  • 自己破産後の返済義務について
  • 自己破産手続き中の周りの家族に対しての連絡
  • 自己破産手続き期間は債務の状況で大きく変わります
  • 自己破産決断のタイミングはいつ行うべきか
  • 自己破産申請が通らなかった場合
  • 自己破産者への給与差押さえについて
  • 自己破産裁判所の審尋について
  • 詐偽的に自己破産した人について
  • 連帯保証人が自己破産した場合について
  • 連帯保証人と自己破産について
  • 過去に自己破産の経験がある人との結婚で被るデメリット
  • 任意整理中の自己破産は?
  • 個人事業主の自己破産について
  • 自己破産の原因は?
  • 交通事故債務による自己破産
  • 債務整理・自己破産・任意整理・個人再生の無料相談。まずはお問い合わせください。 東京:TEL:03-5807-2885 柏:TEL:047-193-8100 初回相談料0円 受付:平日9:30~19:00(土日応相談) メール受付>

    アクセス

    東京本店

     

    柏木支店

    アクセス