自己破産後の生活保護について

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自己破産とは、多額の債務を負ってどうしようもなくなった債務者などが、最低限の生活ができる程度の財産を残しつつ、その他の財産はすべて債務の返済に充当し、その代わりに残った債務が免責される制度です。
基本的には、すべての債務が免責されることになりますが、税金や、ギャンブルや株に使用するためにした借金などは、免責の対象とならない場合があります。
また、自己破産の申し立てを裁判所に行う際、提出する書類に虚偽の内容が含まれる場合等にも、免責対象から外れることになります。
したがって、このような問題は弁護士に相談することが良いでしょう。法律が絡む以上弁護士といった専門家に頼ることが糸口となります。
さらに、自己破産を10年以内に行なっていた場合などにも、自己破産を繰り返す自己管理能力がない者と見なされ、自己破産の救済を受けることができなくなる場合があります。
自己破産は、うまく使えば債務をゼロにでき、再出発を図ることができるようになる制度ですが、一方デメリットもあります。例えば、自己破産をした人は、生命保険の外交員や警備員、宅地建物取引主任者(不動産関係)、弁護士などの職業に就くことが制限されます。また、一度自己破産を受けると、銀行などの融資を受けることも難しくなる場合がほとんどです。
自己破産の手続は、裁判所への申立てが必要となります。申立てを行なった日から3日以内に破産内容に対して面接などが行われ、破産手続に関する審査が始まります。
この審査においては、債務者が支払不能の状態、つまりもはや債務の支払いができない状態にあるか否かの判断がなされます。審査の結果、支払不能の状態にあると判断されれば、破産手続が開始されます。債務者の支払不能状態の判断にあたっては、債務の総額がいくらであっても基本的には関係なく、その債務者が支払うことができるか否か、という視点からの判断がなされます。
破産手続が開始されると、以降債権者は債務の取立てができなくなります。
破産手続が開始された後、配当すべき財産が無い場合は、手続の廃止が確定します。一方、債務者に、債権者に配当することができる財産がある場合は、配当処理が行なわれます。
配当手続は、債務者に資産(20万円以上の価値のあるもの)がある場合に、当面の生活に必要な分を除いてすべてお金に買えて、債権者への支払いを行う手続となります。基本的に、家や車も処分されてしまう可能性が高いため、財産を所有している人についてはデメリットが大きいといえます。
この時点は、破産は確定されるのですが、借金の免責とはなっていなく、免責されるまでは、2から3ヶ月位の期間が必要です。
破産手続が終了すると、今度は免責に向けた審尋が行なわれます。この審尋は、ギャンブルなどで借金を増やしていないかについて審査されます。
この免責審尋が完了すると、晴れて免責となります。
自己破産者は、破産手続で生活に必要な財産を除いて、ほとんどの財産を処分されてしまうため、必然的にその後の生活も厳しくなります。
また、最低7年間、融資を受けることができなくなったり、クレジットカードも使用することができないなど、お金に関する様々な制約を受けることになります。
このため、自己破産をした後は、安定した収入源を確保していないと、借金もできないので、あっという間にお金がなくなり、生活できなくなってしまいます。
さらに、自己破産したことで、今までの仕事上の環境や人間関係にも悪い影響が及んでいることは多いでしょう。そうなると、破産前の仕事をやめて、新しい仕事を見つけなければならない人も多くなります。この時代、そう簡単に新しい仕事を見つけることは当然容易ではありません。
結局のところ、自己破産をすると、その後に生活保護という選択肢を検討せざるを得ないケースも多いものです。
では、自己破産後に生活保護を受けることは可能なのでしょうか。自己破産という手続の恩恵を受けておきながら、生活保護という恩恵も受けられるのか、という疑問を持つ方も多いでしょう。
結論から言えば、両者はまったく別の制度のため、自己破産後に生活保護を受けることはまったく問題ありません。
自己破産後に生活保護を申請することはまったく問題ありませんし、自己破産の申請手続きと生活保護の申請手続きを同時に行うことも可能です。
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大江戸下町法律事務所

当事務所は、平成16年4月に開業し、弁護士1名、事務スタッフ3名でスタートしました。平成22年には、業務充実のため法人化し、支部を構え、現在弁護士8名(東京7名、柏1名)及び事務スタッフ10名強にて運営しております。いずれのオフィスも駅近で交通至便です。 |当事務所の弁護士紹介はこちら 事務所名は、先祖代々下町で暮らしてきた私の発想(我儘?)でつけました。 当事務所は「正しい人を守る」ための弁護士活動をしています。お金持ちにも、正しい人悪い人いずれもいますし、弱者にも、正しい人悪い人いずれもいます。いずれであっても、正当な人の正当な利益のために働きたいと考えております。 子細なことであっても結構です。お気軽にご相談ください。

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